『猿沢の池の歌』 ご存じでしょうか。
猿沢の池を詠んだ歌は幾つかあるようだが...
磯田道史*氏から得た俄知識をご披露。
唯識論(ゆいしきろん)・・・
仏教哲学の教えのひとつ。
世界の全ては自らの心の動き
つまり "識" に過ぎない。
実在しているかのように見えるものや
学んだ知識、家族といったもの全て
心が作り出す仮初のものだという。
『英雄たちの選択』より
磯田氏曰く
唯識はアジアの中でも非常に高いレベルの思想。
全ては自分の心次第と言ってしまえばそれまでだが
至極明快にわかりやすく表したのがこの
猿沢の池の歌と紹介。
(詠み人知らず故か 言い回しはいくつか説あり)
「パーンて奈良の猿沢の池で手を叩いたら
何が起こるかっていうと
鳥は逃げる・・・恐怖が生じる
魚は寄ってくる・・・飯が食える!
横にいた茶店の女の子は
なんでございましょう・・・義務が生じる
同じパーンでも 受け止め方で全然違うんだと。」
ふむ〜 。
"全ては己の心次第" とは
多くの人が聞いたことはあるだろうし
これを読んでおられる方においては
異論もさほどない考え方かと。
では、望むように常に実践できているかと己に...
問うまでもなかった。
冬の寒さで 心身が俯きがちなこの季節。
タイムリーだったかもしれない。
鳥か? 鯉か? あるいは 茶屋の娘か?
受け取り方を 意識して選び取っていく
いいツールをもらえたようだ。
池の鯉たちを見る目も変わる気がする。